【SS】ミシア、素直になる?【赤雲×ミシア】  09/03/22



赤雲は動揺していた。
何故って、いつもツンツンで刺々しいかかあ天下のミシアが、赤雲の膝の上にちょこんと座りながらジッと見つめてくるからで。

「………」
「ま、魔女…」
「何ですか?」
「………熱でもあるのか?」
「ありません」
「な、ならば何故…その…わしの膝の上に、そのように可愛らしく座るんだ…」
「いけませんか?」
「いけなくない。全くいけなくない。天地神明に誓っていけなくない」
「そうですか」

そう言ってミシアは赤雲の首に腕を回してキュッと抱き着いてみせた。当然赤雲は髪をバサッッッ!!!!!!!と逆立ててドックンドックン鼓動を早める。

「ま、ままま、魔女、やはりお前っ、今日はっ…お、お、おかしいぞっ」
「そうでしょうね」
「………は?」
「アルに言われたのです。たまには甘えてやらないと貴女の駄々こねが爆発するから、定期的にちゃんと甘えてやりなさいと」
「………ようするにわしの駄々こね防止の為の甘えなのか?これは」
「仕方ありません。駄々をこねて散々に犯されるのは御免ですからね」
「………」

喜んでいいのかよくないのか、微妙な感覚を覚えた赤雲だったが、ここは素直に喜んでおこうと一人頷く。あのアルの入れ知恵であっても、こうして甘えてくれるのであれば万々歳だ。

「魔女、何ならこのままベッドに行くか?」
「調子に乗らないで下さい」
「つれない女だな、ミシアよ」
「………こういう時に名前で呼ぶのは卑怯ですよ?」
「ほぉ。それは済まなかったな。なら、謝りついでに可愛がってやるとしよう」

結局大人しくなったミシアをちゃっかりベッドに運んで美味しく頂いた赤雲は、今回ばかりはあの憎らしい地味魔女のアルに感謝したのだった。

 

 

 

 

 

 

「よかったのか、アル?」
「何がですか?」
「お前の妹、確実に赤いのに食われたと思うが」
「想定内ですよ、そんな事は。これで後は、やり過ぎた赤き雲がミシアにボコボコにされれば全て計画通りです。ホッホッホッ」
「………」

高笑うアルの横で、密かに青雲は両手を合わせたのだった。