【SS】青雲、アルへのチョコを渡し忘れる【2/14後】



青「……しまった」
赤「何だ青いの。顔面まで青くなりおって」
青「………アルに…チョコを渡すのを忘れておった………」
赤「おぉ。例のぐっちゃぐちゃになったチョコレートか。あんな物、プレゼントには相応しくない。渡さん方が奴も喜ぶわ」
青「駄目だ。わしはアルに、ちゃんと渡すと約束した。………待っていただろうか、アルは」
赤「まぁバレンタインに恋人からのチョコを期待するのは当たり前だからな。わしはしっかり貰ったぞ」
青「騎士の剣チョコだろう?」
赤「何故知っている」
青「想像だ。図星だったとはな。日頃の行いが招いた事よ」
赤「ならばお前とて、日頃の行いのせいでそんな渡し忘れなどするんだ。愛されているからと安心するな。あの陰険地味魔女のことだ、他に星の数程妾がおるに決まっている」
青「アルを悪く言うな。例えアルに星の数程の妾がいようとも、わしの気持ちは変わらん」
赤「はっ。言っていろ」
青「それより…どうすべきか…。遅れても渡すべきだろうか…それとも謝るだけにするべきか…」
アル「私は遅れても貴女のチョコは受け取りますよ?私の雲」
青「アル」
赤「出おったな陰険性悪地味魔女」
アル「赤き雲、うるさい。…いいですか私の雲?私にとってのバレンタインは、貴女からチョコを受け取った日なのです。例え世間が2月14日という日に浮き足立って喜んでいても、私は貴女からチョコを受け取ったその日こそバレンタインだと思っています。だから私の雲、貴女の気持ちを私に寄越しなさい?日にちなど関係ありません。貴女の気持ちが大事なのです」
青「アル………そうだな。わしもお前に約束したからな。少し遅れてしまったが、受け取ってくれ。わしの…気持ちだ」
赤「………わしの目の前でイチャイチャするな。不愉快極まりない」
アル「あら。バレンタインにまでミシアに追い払われた赤き雲、まだいたのですか?」
赤「追い払われたわけではない!!!!あれはいつもの如く奴が照れ隠しに暴れただけだっ!!!!」
青「見苦しいな赤いの。と言うか、邪魔だ。失せろ」
赤「(ムカーッ)えぇいっ!!!!魔女っ、魔女はどこだっ!!!!わしらもイチャつくぞっ!!!!!!!魔女、出てこぉぉぉいっ!!!!!!(泣)」