同人専門の校正屋さん(あさきちづる様)に『蜜蜂と仇花 後編』の感想サービスご依頼しました

感想サービスの利用について

蜜蜂と仇花に個別感想をお寄せくださった皆様、本当にありがとうございます。お名前分かる方は個別でお礼を致しましたが、大変励みになりました。重ねて御礼申し上げます。

いただいたご感想が励みにならず感想サービスをお願いしたわけではないので、その点だけ誤解なきようお願いします。初めから蜜仇後編同人誌発行後、感想サービスは自分への執筆終了のご褒美でご依頼すると予め決めていました。

蜜仇後編完結時、ご感想があってもなくても感想サービスはご依頼していました。ご感想はあればあるほど嬉しい。強欲な私です。

描いて確実に感想をいただけるサービスがあるというのは安心感がハンパないですね。自分のために描いている自家発電系の私でも長い時間かけて描いた漫画が、全くの無反応だとさすがに堪えます。描いて公表したところで無反応かもしれないなどと、余計なことは考えず執筆に専念できます。

反応がなくて虚しいというほかに、例え自己満足の同人漫画でも自分の作品はどうしても客観視できないので、読み手からのご感想は、本当にありがたいものです。甘口や褒めメインだとしても褒めどころがなく、無理に褒めて戴いたな……というのは分かるものですので。

ジャンルつきあいでおそらく拙作はそう好きでは無いだろうなと義理感が感じ取れるご感想をいただいてありがたくも申し訳無い気持ちになるのと、有償のご依頼と割切ってお願いして、未見ジャンルでも作品を読み込み作品の感想を述べられる方の感想サービス。そこにどれだけ価値の違いがあるのだろうかと思います。

私のように、ジャンルファン同志の交流疲れで創作に悪影響が出るタイプには、感想サービスは本当にありがたいですし、嬉しいものです。余計な気を使わなくて良いのも本当に気が楽です。例え有償のご依頼だとしても、戴く感想はどれも心がこもっていてとても嬉しいご感想でしたので、今後も自分への執筆完了のご褒美として感想サービスの利用は続けたいと思います。

あさきちづる様へご依頼しました

20/7月、コロナ禍とスランプでの漫画執筆のモチベーションアップのため『蜜蜂と仇花 前編』の感想サービスを利用しました。

そのときは初めての感想サービスご依頼だったので、どなたに依頼するか目移りしてしまい、普段ではご依頼できないようなスキルをお持ちだったり、webで話題の方に頼めるなら頼んでみたいな〜と、同人専門の校正屋さん、あさきちづる様にご依頼しました。(ココナラ  twitter

『蜜蜂と仇花 前編』感想サービスご依頼記事はこちらです! https://nousk.jp/wp/?p=2874

前編依頼時もとても嬉しい感想をいただけたので、あさきちづる様には、後編完成したら自分へのご褒美で何ヶ月待ちでもまたご依頼したいと思っておりました。

後編は、漫画の他にツヅラカヅサ殿のスピンオフ小説も合わせて後編なので、完全他人の作品での感想依頼でなく、合作であることと、ツヅラ殿本人了承は取れていてトラブルにはなり得ないこともご相談の上、ツヅラ殿の感想も合わせてお願いしました。

依頼した作品はこちらです(リンク先R18)
蜜蜂と仇花後編 https://nousk.jp/wp/?p=1789
蜜蜂と仇花 小説 https://nousk.jp/wp/?p=5766
pixivにもまとめていますhttps://www.pixiv.net/user/54535/series/42542

前回の甘口感想がとても嬉しく励みになったので、今回も甘口でご依頼しました。
重点的に見てほしい箇所は下記をお伝えしました。
(1)漫画内で一番印象に残ったシーンを教えてください(通常・ラブシーンどちらでも可)理由もあると嬉しいです。
(2)後編を読んで漫画内で一番印象に残ったキャラクターを教えてください。理由もあると嬉しいです。
(3)漫画・小説通しで読んだ時の小説の感想を教えて下さい。

運良く依頼に空きがございまして、自分が思っていたより早めにご依頼できご感想いただけました。あさきちづる様に了承いただきましたので、いただいた感想公開します!本当にありがとうございます!

自分が漫画で関係性や物語を、美しい文章でお褒めいただき本当に嬉しいです。ツヅラ殿に依頼した小説も、そうそう、ツヅラ殿にそういうサニシャン書いていて欲しいとざっくりお願いしていつも期待通りの作品仕上げていただきましたが、本来そうお願いしたかったと依頼時プロットでは明確に自分が言語化まではしていなかった感情まで丁寧に読み解いていただきありがたいです。小説担当ツヅラにも伝えねば。

(21/8/8追記)ツヅラ殿に伝えたところとても喜んでおりました。webでの活動をしていないため、詳細の公開は伏せますが、私もツヅラ殿と話して、自分のために描いている作品でもそれが作品である以上、きちんと読まれている実感は大事でそれが次回作のモチベーションにつながるなと再確認致しました。本当にありがとうございました!

感想サービス本当に良いものですね。
またあればまた新作が仕上がった際は是非ご依頼したいです。迷ってる方にも参考になれば……!

※下記は納品いただいたPDFをjpeg出力したものです。あさきちづる様のご厚意で弊サイトでの公開をご了承いただいております。この記事のリンクをSNSで紹介いただくのは歓迎ですが、下記画像をDLしてのSNSへの無断転載は禁止します。

ご感想(画像版)

※下記は納品いただいたPDFをテキスト出力したものです。(画像版と比べていただいて分かるとおり、こちらで編集はしておりません)あさきちづる様のご厚意で弊サイトでの公開をご了承いただいております。この記事のリンクをSNSで紹介いただくのは歓迎ですが、SNSへの無断転載は禁止します。

ご感想(テキスト版)

S,夜紫蛇様ツヅラカヅサ様

『蜜蜂と仇花後編』と『靄と秘め事』、どちらもじっくりと読ませていただきました!今回も甘口をご希望とのことでしたので、事前にお伺いしていた項目に沿って、印象的だった点や好みだった点について触れさせていただきます。漫画後編と小説の2作品分としてご依頼をいただいておりましたので、「重点的に見て欲しい点」のご希望にあった(1)と(2)を漫画についての感想、(3)を小説についての感想としてお伝えいたします。

『蜜蜂と仇花後編』

1 漫画内で一番印象に残ったシーン

作品の中で一番印象に残ったのは、サニアがセーラに対して「あなたをいま抱きたい」と泣きながら告げるシーンです。誇り高き美しい公女であるサニアが民には見せられない弱みを見せ、涙まで流しながらセーラへの愛欲を示す姿に、胸が痛みました。「民に知られたら破滅」とまで言う弱みをセーラには躊躇いなく告げる信頼、勃たなくてもそれでもセーラを抱いて愛したいという純粋な想い、様々な意味がこのワンシーンに込められていると感じます。また、それまでのシーンではセーラに対しては見せることのなかった涙を流していることで、二人の距離感がいっそう縮まったのだとわかります。セーラ自身はサニアに「無理してもらいたくない」という感情を抱いているにも関わらず、半陰陽の姫として生きてきたサニアのことを慮って自分の気持ちを告げずにサニアなりの愛を受け止めているあたり、セーラがサニアに抱いている愛の深さを思い知らされたような心地がしました。

その少し前のシーンで、シャンテのことを「あなた(セーラ)に抱くような情はない」と言ったり、「今儀式以外で抱く女はあなただけ」と言ったり、セーラに信じて貰って安心させようというよりも、セーラに信じて貰えなかったらどうしよう、セーラにだけはわかって欲しい、といったような甘えの感情が色濃く出ているような気がしました。「たったひとりの恋人」に感情をかき乱されているということを明確に言葉にして、やはりセーラに躊躇いなく弱みを見せられるようになっているあたり、恋人であるセーラを心から愛し心から必要としているということを、彼女自身が自覚して自分の中で納得し気持ちになにかきりがついたのだろうか、と感じさせられます。

サニアとシャンテの過去の関係性が明かされたことによってよりいっそうサニアとセー

ラの関係性との対比が強くなっているように思いました。サニアはシャンテに母親を重ねていて、シャンテはサニアに弟を重ねていて、お互いが誰かの代わりにしか過ぎないということを理解しながらも、二人ともそうすることでしか自分を癒すことができなかったのだろう、と思うと切なかったです。サニアは母を、シャンテは弟を、それぞれ愛する人を救えなかったという過去の傷を抱えていて、慰め合っていたのですね。純粋な恋愛感情ではなく、かといって肉欲だけの関係でもなく、どこか独特の甘さと切なさがあったサニアとシャンテの関係性に納得してしまいました。誰かの代わりとしての「愛人」のような雰囲気のあるシャンテとの関係性が過去にあったからこそ、セーラとの「恋人」としての関係性が際立っていると感じます。

2 後編を読んで漫画内で一番印象に残ったキャラクター

後編のなかで一番印象に残ったキャラクターは、作品の肝となっているサニアです。過去のシーンがあったことによる「今」への繋がりや成長・変化が作中で丁寧に描かれており、サニアの心情をじっくりと追って考えながら何度か読み返してしまいました。そして、上記でも少し触れたセーラとシャンテの対比があったことで、やはりその中心となっているサニアの印象が強くなっていると感じます。まだ幼い頃にシャンテと肌を重ねていたサニアの表情は怒り・憎しみ・悲しみと快楽の色が多いですが、今セーラと愛し合っているサニアの表情は、慈愛や喜びが色濃く出ているように見えます。年を重ね成長したというだけでなく、セーラとの関係の中で過去の凍てついていた心を少しずつ溶かされていった結果が今のこの表情なのだと思うと、改めてサニアにとってのセーラの存在の大きさを感じざるを得ません。セーラの嫉妬も優しく受け止め、「私も愛しているわ、セーラ」と告げたサニアの表情が、ほんとうに幸せそうに見えました。

シャンテの膝枕で眠る「今」のサニアの表情はとても穏やかで、「10年経っても寝顔は昔のままね、お姫様?」というシャンテのセリフも相まって、どこか幼く見えました。セーラといる時の穏やかでありながらも自信に満ちた「公女」としての表情との違いが大きく、やはりシャンテの母性によるものなのだろうか、と思わされます。未だにシャンテに母を重ねているというよりも、シャンテに母を重ねていた過去から今までの長い付き合いの中での二人の歪な信頼のかたちにも見えました。「旅先で買った娼婦」と言いながらもお互いが抱えた傷を埋め合っていたのは事実で、少なからず築かれた二人だけの関係性はあったのだろうと思いますし、切ない表情で「お二人の絆は分かります」と笑うセーラに、どこか共感

しました。

『靄と秘め事』

3 漫画・小説通しで読んだ時の小説の感想

丁寧な言葉で一つひとつの情景や行動を綴られていることによって、漫画よりもいっそう耽美な雰囲気を感じました。作中前半ではとにかくシャンテが淫らにサニアを誘っているような印象でしたが、後半を読んだことでそれがサニアの身を護るため意識をこちらにひきつけようとしていた意味合いも感じられて、シャンテという人間の底知れなさが表れているように思いました。「弟みたいに思ってる貴女を助けるためなら何だってできるわ」というセリフで、サニアに弟を重ねているということをはっきりと告げるのか、と驚きつつ、その後の「公女様、それは駄目なのよ。どうでも良くない存在になってしまった自覚を、ちゃんと持ちなさいね?」というセリフで「公女のサニア」を強く意識させているようで、二人の不定形な関係性を感じました。「姉と弟の代わり」「娘と母の代わり」だけではなく「アルディアの歌姫とミルマーナの公女」となったせいで、そのどれもが二人の心を中途半端に引っ張って苦しめているような気がします。

最後のシーンでシャンテがサニアを抱擁するときの、温かな鼓動、優しく髪を撫でる手、自分を心配する声、性的なものを感じさせないそれらすべてが、サニアがシャンテに見出してしまった母性の欠片なのだろうと思いました。どんな関係性が加わってもシャンテにとってはサニアは加護の対象であるのと同時に、サニアにとってはシャンテは温かく包んでくれる存在なのだろうと思うと、やはり唯一無二の絆を感じざるを得ません。サニアとセーラの関係性が「恋愛」だとすれば、サニアとシャンテの関係性は「愛情」という言葉がぴったりだと思いました。

全体を通しては、キャラクターの心情や作品の背景など含め漫画・小説共に繊細に作りこまれている作品だと感じました。漫画はS,夜紫蛇様、小説はツヅラカヅサ様とそれぞれ別々に担当されているとのことでしたが、一貫した空気感があって、お二人の感性が近しい場所にあるのと同時に、きっとご相談などされながら大切に作品を作り上げていらっしゃるのだろうと思います。以前こちらの作品の前編にあたる漫画を拝読しましたが、前編と後編は

もちろん、小説ともそれぞれ繋がりのある部分が見え、すべてを合わせて一つのストーリー、一つの世界観として楽しめるものになっていました。細部まで作りこまれた完成度の高い作品から、心からこの3人のキャラクターを大切に思って創作をされているのが伝わってきます。

最後になりますが、この度は当サービスをご利用いただき誠にありがとうございました。これからも創作活動頑張ってください!陰ながら応援しております。

202187日あさきちづる


あさきちづる様、ありがとうございました!

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