ふたなりサニアのサニア×シャンテ×セーラ漫画『蜜蜂と仇花』 後日譚のゲスト小説です。アークRのミルマーナクーデターはふたなりサニアだったらどうなるかで書いていただきました。
作/ツヅラカヅサ殿(サイトなし)
小説画像版
小説テキスト版
0900 ALPHA、東端の『カカシ』をしまう
0906 BRAVO『納屋』の端末から侵入、『呼び鈴』を鳴らす
晴れ渡った青空に、突き刺さるような陽射しが昇りかけている。ミルマーナの、ともすればリゾート地のようなビーチをガラス越しの眼下に見て、長身の女性がエレベーターで階上へと運ばれていった。
射干玉(ぬばたま)の長い髪と、口元の黒子が彼女の妖艶さを一際引き立たせている。
シャンテ・ドゥ・ウ・オム、かつて世界を救った英雄の一人であり、今や世界的な歌姫である。
軽い金属音がしてエレベーターが停まり、扉が開いた。極めて素っ気ない廊下の突き当りが目的地である。
「サニア、いる?」
金属製の重厚なドアを開けると、正面の執務机に部屋の主の姿はなかった。
「サニア?」
0925 CHARLIE、DELTA、ECHO 『前庭』を制圧
0940 FOXTROT、GOLF 『家』の者たちと『台所』を確保
「そう何度も呼ばなくても聞こえているわ。何か起きたの?」
次の部屋に続くドアから、眼鏡をかけた栗色の髪の女性が書類を抱えながら出てきた。サニエレ・アルノ・ヘ・ドバッチ・ミルマ、ミルマーナの元王女であり、シャンテと共に世界を救った英雄で現在は大災害で崩壊した祖国を復興する指導者として行動している。
「いつ来ても仕事してるのね、サニア。少しは息抜きでもしたら?」
「そんな暇なんて、ないわ。遊ぶ暇があるなら貴女にも少しは手伝ってもらおうかしら」
「あら、私は公女様におねだりに来たのよ」
「世界の歌姫シャンテ様に贅沢させてあげるようなお金、うちにはないって分かってるでしょ」
「……ブーツ、買ってくれない?」
昔からの、二人にしか分からない誘いの言葉。
一度驚きに目を見開いたサニアが、困ったように笑う。半ば、ねっとりと。
「日もまだ昇ったばっかりだっていうのに、このアバズレは何考えてるのかしら」
「ここに来てからは、貴女の熱くて太いモノの事ばっかりね」
サニアは静かに腕の中の書類を机に置き、太陽が降り注ぐ大きな窓をカーテンで覆った。無言での了解を察したシャンテが何事か口の中で呟く。すると先程まで小さいながらも聞こえて来ていた周囲の音がぴたりと止んだ。
「うふふ、久し振りだから少し細工をさせてもらったわ。こんなところ部下の子たちに見られちゃったら、貴女の信用ガタ落ちでしょ?」
「まったく、こういう事には準備がいいのね」
「あら、それだけじゃないわよ」
シャンテがスカートを捲ると、荒い網目のストッキングを履いた美しいラインの脚が顕になる。太腿のガーターリングに掌に収まるほどのコントローラーが挟まれており、そこから延びる数本のコードが黒い茂みに続いている。
「ブーツだけじゃなくて下着も買ってあげなくちゃかしら」
呆れ顔でサニアが肘掛け椅子へ腰を下ろすと、シャンテは脚の間へ跪き腰布をもどかしげに捲りあげた。
「英雄だの何だのって、変に讃えられちゃうとやり辛いったらないわ。昔は好きな時に好きなだけできたってのに」
そう愚痴りながらも、サニアのペニスを取り出して慣れた手つきで弄り始める。
「世界の歌姫様にもなると、スキャンダルが怖くなるのかしらね?」
「貴女はいいわよね、周りに可愛い娘ばかり侍らせて……ん、ふ…っ」
勃ち上がりかけたサニアのモノを、シャンテの紅く彩られた唇が包むと、会話はそこで途切れた。不自然なほどに静かな室内に、シャンテの立てる音が卑猥に響く。
「ちゅる、ちゅっ、……ちゅっ……じゅぽっ、じゅぷっ」
既にサニアのペニスは硬くそそり立ち、シャンテが淫らな細い指と柔らかな唇と舌であらゆる処を這い回りながら快楽を掻き立ててゆく。
「熱心に…甜めてくれるのね……、は…ぁ…、んぁ…」
シャンテの絶妙な舌遣いに、サニアの息が甘く弾んでくる。サニアのペニスが硬く反り返ると、シャンテはわざとらしくゆっくりと唇を離した。
てらてらと唾液に濡れて光るペニスへ、思わせぶりな仕草で指を滑らせて焦らす。
「サニア、可愛いわ」
「っ…、私が欲しくて来た割には焦らすじゃないの。早いところ跨って尻を振りなさい」
「あん、昔っからせっかちね」
まだ肩に掛かっていたサニアの衣服を剥ぎ取り、シャンテは自らの服も取り去った。椅子に浅く腰掛けるサニアの前で、ヒールを履いたままの片足を椅子の肘掛けに置いて大きく股を開いた。
まるでショーの踊り子のように、恍惚の表情で目の前の観客の視線を淫らな手付きでもて遊ぶ。
片手で乳首を摘んで弄りながら、もう一つは股間のコードへ下ろしてゆき、浅く出し入れすると溢れた愛液がすぐに内腿を伝ってゆく。
「うふふ、んっ、あはっ、…ねえ、サニア…貴女がコレ、抜いてくれる?その後で…太いのでじゅぷじゅぷ掻き回して?」
「相変わらず下品ね、シャンテ。こういうことするから男が逃げて行くんじゃないの?」
ため息をわざとらしくつきながらも、サニアの顔は笑っている。蕩けそうに揺れるシャンテの腰を引き寄せると椅子を跨がらせ、そのままローターを抜かずに剛直を突き刺した。
「…ああああっ?っ…あーーーーっ!」
いきなりの衝撃に、シャンテは悲鳴を上げて達し、その肉の割れ目から熱い潮が迸る。それはサニアの太腿を汚し椅子を濡らし、床に水溜りを作った。肉壁の中では、小刻みに震えるローターと肉棒がぎゅうぎゅうと締めつけられた。
「歌姫様はイく時も声が大きいわね。結界張ってても誰か来ちゃうんじゃない?」
圧迫感に眉をしかめながらも、サニアが意地の悪い笑みを零す。まだ痙攣を続けるシャンテには聞こえていない。
「でも、まだ私イってないのよ」
繋がったままのシャンテを執務机に押し倒し、耳元で囁いたサニアが抜き差しを始める。
「あぅ!あっ、あんん!サニ、ア、おく、ああっ!奥、ぅ、こわれ、ちゃうっ!」
大胆に、あるいは小刻みにヴァギナへ与えられる刺激の波に翻弄されながらシャンテが叫ぶ。挿入と抽出の間にも、最奥へ押され、ペニスと共に引きずり出されまた奥へと突き入れられる小さな機械は身震いをし続けている。
背中を弓なりに跳ねるシャンテを天板に押し付けて、滅茶苦茶にサニアが腰を振る。深く浅い角度でペニスを挿れると、互いの乳房が身体の間で潰れて乳首が擦れ合う。硬く勃ち上がったシャンテの乳首を乳房ごと噛んで強く吸うと、肉壁がより一層強くサニアを締め付けた。
「くっ…ふぅ…」
強く駆け上ってくる快楽に抗いきれず、サニアは下半身に溜まった熱をシャンテの中に残らず吐き出した。ゆっくりと身を引くと、真っ赤に熟れたシャンテの穴から白濁がどろりとこぼれ、動かなくなったローターが引きずり出された。
「……流石ね、シャンテ」
しばらく机の上で放心していたシャンテに、服を着終えたサニアが言葉をかけた。
「貴女の結界、破るつもりでヤったのに。それだけ乱れても音一つ聞こえてこないなんて」
「……生死の狭間は燃えるのよ」
「え?」
「教えてあげるわ、公女様。今、貴女の可愛い部隊はクーデターで造反した部隊と戦闘の真っ只中。私は貴女を足止めする為に貴女と寝たの」
シャンテの顔に薄く笑みが広がる。その言葉に嘘がないことを、長年の付き合いからサニアは悟っていた。
「嘘か、本当か。ここだとできることもないし、抱き潰して完全に意識飛ばしてくれれば分かるわよ?」
両腕を広げて誘うシャンテの手を払って、サニアは窓に駆け寄った。しかし窓の外はシャンテの結界のせいか白く明るい靄に包まれて景色すら見えない。窓を壊れる程に強く叩いても、薄いガラスは震えすらしなかった。
「…事前に襲撃が分かっていたのね?なのに何で私の部隊を援護せずに、私をここへ閉じ込めたの!分かっていれば、襲撃を防げたじゃない!」
「私は貴女が大事なの。弟みたいに思ってる貴女を助けるためなら何だってできるわ」
激昂するサニアに、まるで子供に言い聞かせるような調子でシャンテが答えた。
「弟の…助けられなかった自分の弟の代わりに、私を助けて罪滅ぼしでもしてるつもり!?」
「貴女一人が加勢したところで、彼らの敗北は目に見えていたのよ。教えたら貴女が無駄に討死するわ」
「私の事なんてどうでも…!」
「公女様、それは駄目なのよ。どうでも良くない存在になってしまった自覚を、ちゃんと持ちなさいね?」
埒のあかない押し問答に、ついにサニアの焦りが限界に達した。未だ裸のままで机に座るシャンテから一歩下がって戦いの構えをとる。
「シャンテ…どうしても出さない気なのね。それなら、アンタを倒してでも」
「……仮にも術者ならここがどこだったか思い出すことね」
半ば呆れたシャンテの呟きが聞こえて、サニアの意識はぷつんと途切れた。
「医療系の術は悪用すると怖いわよ?」
サニアのミルマーナのクーデター直後の記憶が、曖昧である。靄がかかったようにそこだけ記憶が抜け落ちているのだ。部下に裏切られたショックからきたものと、クーデターの数日後に医師に診断された。
「救出されるまで…私はこの手で部下だった者たちを殺めたの…?」
死亡リストに載っていた者たちを思い出し、苦しく狭まる胸を抑えてサニアは執務室へと戻ってきた。扉を開けると、執務机の前に見慣れた背中があった。一瞬、サニアの心臓がぎゅっと縮こまる。何に過剰に反応しているのか、と自らを戒めながら努めて明るい声を出した。
「シャンテ、もう帰るの」
サニアの声に振り向いたシャンテは、その顔を見て顔を今にも泣きそうな様子で歪ませた。
「サニア」
小走りに駆け寄ってきて、サニアを抱きしめる。シャンテのヒールと身長差で、サニアの顔がシャンテの胸にすっぽりと収まった。性的にだらしないシャンテには珍しい、性的なものを感じさせない抱擁だった。
「自分を責めては駄目よ。貴女は、殺さずにクーデターを乗り切っていた。一緒にいた私が保証するわ」
「……ありがとう、シャンテ。もうちょっとだけ、このままにして」
シャンテの鼓動が、柔らかくサニアに伝わってくる。シャンテに髪を撫でられながら、サニアはしばらく抱きしめられたままでいた。
「死んでしまっては何もならないわ。英雄だって死ねば他の人と同じ。無茶をしないでね」
心底心配そうな声と豊満な胸の谷間に包まれて、サニアは小さく頷くしかできなかった。
心の奥底の、凍てついた引っ掛かりのようなものが、またサニアの胸を苦しくした。
END.
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